桃月書房

しょうもないことを書きます

君は伝説に立ち会ったか:イオンシネマ海老名でロロロ→劇場版スタァライトのハシゴをキメてきました【雑感】

はっきり言って、それは伝説だった――。

こんにちは、ももつきゆきやです。2021年10月2日土曜日に、イオンシネマ海老名にて再生産総集編『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』と『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を連続でハシゴして観てきましたので、この日海老名で何が起こったのかと音響などに関する雑感を記したいと思います。

なおこの記事はロロロと劇場版スタァライトのネタバレを含みますので閲覧は要注意です。

以下目次:

イオンシネマ海老名でロロロが再上映!?

現在大絶賛上映中の劇場版スタァライトですが、2020年に上映された再生産総集編「ロンド・ロンド・ロンド」(通称ロロロ)が、なんとここに来て復活再上映という衝撃のニュースが飛び込んできました。

しかも何がヤバいって、そのスケジュール。

何を意味するかわかるな?そう、ロロロ→劇スのハシゴが可能なプログラムなのである

私はロロロを配信でしか観たことがなく、そもそもスタァライトそのものと出会ったのが劇スが上映して以降の話だったので、是非ロロロを劇場で観たかったなぁ…と思っていたところに再上映のニュースが飛び込んできて、これだけでも最高に嬉しくなりました。しかしここまできたらせっかくだからハシゴするしかねぇだろ…と思いハシゴまでキメてきちゃいました。

なお私はこの時点で劇場版スタァライトを既に6回観ていますので今回が7回目です。

はっきり言って、それは最高の体験だった

正直前回海老名THXで劇スを観たときは、巷でそんなに絶賛されているほどの音響の良さを感じ取れず、あまり好きではなかったのですが、今日は最高でした。音響に関しては後で詳しく書きます。というより今日最高だったのは、音響が良かっただけではなく観客全員の一体感があったことが一番大きいと思っています。

今回はロロロ再上映がスタートして最初の土曜日ということもあり、おそらく普段の土曜日より圧倒的に多い人数で、かつよりやる気のある舞台創造科*1がたくさん集まっていたのだと思います。

AC海老名、やる気が異常

イオンシネマ海老名は以前からスタァライトをフラッグシップシアターであるTHXで続映し続けるなどして、スタァライトに命を懸ける劇場として聖地と崇められるぐらいでしたが、数日前からスクリーン7の外の壁にこのような装飾がされ始めました。

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ポジションゼロ!じゃあないんですよ。なんですかこの狂気的なまでの情熱は。

これ人があまり写り込まないように撮ってるのでガラッガラに見えるかも知れませんが、実際には画角に入らない位置に常に30人以上ぐらいのオタクがごった返しており、思い思いに写真を撮っていました。

劇ス上映終了後は、3人組でいらっしゃった方が別の方にスマホを渡して、3人でポジションゼロを指差す写真を撮ってもらったりしていました。

入場特典の誤配布

ロロロの入場時に、チケットを見せるのと同時に劇場版スタァライトの入場特典であるスタッフ本リバイバルが配布されました。AC海老名のTwitter曰くそんなに残り部数が多いわけでもないようだったので、「へーこれロロロでも貰えるんだ、合ってるのかなこれ」と思っていました。

そしたらやっぱり間違いだったようで、ロロロ上映前に劇場内にスタッフさんが入っていらして、入場特典は劇場版のものでロンド・ロンド・ロンドのものではなかったですすいません後で回収します的なことを言ってたように思います。が、なにせ予告がまぁまぁな音量で流れているだけに詳細に何を言ってたかは聞き取れませんでした。

それでも観客の皆さんは私と同じく誤配布じゃね?って気づいていたのか、スタッフさんの言葉に対してしきりにペコペコ頷いていて、その光景がかわいかったです。コミケの待機列で準備会スタッフさんが注意事項言ったあとに「わかりましたかみなさん~?」「は~い」ってなるあの現象みたいな感じでした。

その後、ロロロの上映が終了した直後にも即座にスタッフさんが入っていらして、大声で案内をされてましたが、その一連の流れが面白かったので以下にまとめたいと思います。記憶で書いてるため一言一句正確なわけではないことをご承知おきください。


~ロロロ上映終了後~
「すいません!ご案内申し上げます!!」

「皆様にお配りした入場特典ですが、この後の回で配るものでした!
おそらく皆様は、この後の…劇場版もご覧になるかとは思うんですが…」

(ここで会場爆笑)

「このあと入り口のところで次の回のチケットを拝見いたしますので、ご用意をお願いいたします!」

(ここで拍手が起こる)
(スタッフさん何度も深々と礼、入口の方へ走り去っていく)


だいたいこんな感じでした。すごくないですかこれ?

AC海老名も我々がどういう人類かを完全に理解しているし、完全に見透かされたオタクも思わず笑ってしまうという温かい空間、自然と拍手が起こるというあの空間は、不思議な一体感があり、まさに伝説の瞬間に立ち会ったと思いました。はい、仰る通り我々はこの後の劇場版も観ます。

これはただの映画とその観客では成り立たない…スタァライトという作品と、その熱狂的なファン、そして聖地海老名という関係でないと絶対に起こらなかった現象だと思っています。

そうした一体感のある“同志”が集まった環境で観るロロロと劇スは、全員初対面なはずなのに歴戦の戦友であるかのような居心地の良さがありました。

音響や映像など

先述した通り、前回来たときはあんまり良さがわかりませんでした。前回のときの音響の感想はここの一連の投稿に詳しく述べています。

ロロロ→劇スをハシゴしました: "イオンシネマ海老名THXスタァライトの感想①(劇場版スタァライトネタバレを含みます)" - Best Friends

簡単にまとめると「迫力は凄いのに、音は潰れて無くて、細かい音も鮮明に届く。初めて聞こえる音情報もいっぱいあったし、特に生活音や剣のぶつかる音がめっちゃ凄い。だけど空間が広くてよく響くのと、前から音が飛んでくる感じになるので、そこが好み次第になってくる」という感じでした。もっというと、セリフの残響があまりにも凄まじく、それが気になって集中できないといった感じですらありました。

「本物の舞台に近い」としてこの残響を好まれる方も多くいらっしゃいましたが、私は残響が強すぎて「映画観に来てるな」とあからさまにわかってしまう感じが没入を阻害してしまって好みではありませんでした。

このときは迫力で殴られることを目的で行ったので、N列-25という比較的前方の席をとりました。しかしその後Twitterで、海老名7は後方の席をとると残響が低減される、との情報を掴んだので、今回はロロロも劇スもそれぞれH列という、かなり後ろの方の席をとることで、迫力は多少犠牲にしつつ残響を低減させ、音も映像もバランスを取りにいくことを狙いました。

結果としてこれは大正解、残響が大きく低減され、程よい響き方になりました。これには、

  • 後方の席を取ったことで残響が低減された

ことのほかに、

  • 人が多く入っていたことで音が吸収された

ことが考えられると思っています。前回は平日夜で人数もまばらだったため、あまり音が吸収されなかったのかもしれません。

今回の海老名の感想は、「とっても模範的に素晴らしい音を響かせる。響きすぎることも響かなすぎることもなく、セリフも音も丁度良く響く。四角い形の箱よりも、この扇形に広がる海老名THXの形状が、よりミュージカルっぽい・舞台っぽい響きにつながっているのかもしれない」といったところです。

ようやく、「海老名のスタァライトが一番スタァライトしてる」とおっしゃっていた方の気持ちがわかりました。

先日チネチッタのLIVE ZOUNDで劇スを鑑賞し、これもまた最高でしたが、LZはどちらかというと音をほんの少し歪めてもいいから何度も劇スをキメているオタクにさらなる熱狂を浴びせる、ということを目的としたチューニングであるように感じました。今回の海老名は、音量や音圧でいうとLZには劣るが、解像度と自然な響きが美しく心に浸透する、といった感じでした。いい意味で自然で普通な音を奏でるが、ここにしかない残響とここにしかない解像度がある、といった感じです。

…というのも、今回初めてわがままハイウェイで泣きました。怨みのレヴューって痴話喧嘩だしあの曲超ノリノリになれるやつなので毎回ニチャア…って笑いながら浴びてキメているんですが、今回は「言わせて 最初で最後 我儘高速道路」という歌詞やその他の音響全てが、双葉と香子の魂の叫び、心の底から震える感情の決死の吐露であるように感じ、心のなかにすっと突き刺さってきました…。

あと競演のレヴューは前回の海老名同様エグかったです。まひるがメイスで地面カチ割るシーンはマジで命の危機を感じました。もう7回目なのに初見レベルで身体がビクッてなりました(※ガチ)。その後のまひるホラーボイスも、会場を駆け巡り全方位あちこちから飛んでくるセリフが本当に脳みそを直接揺らしてくる感覚になって凄かったです。

真矢クロの魂のレヴューも前回同様剣のぶつかり合う音の迫力が本当に素晴らしかったです。しかし今回真矢クロのレヴューで思ったことは音よりも映像の迫力。いままでは没入感を重視して前方の席で観る事が多かったので、今回は後方の席で全てを視界に入れながら俯瞰することが出来ましたが、俯瞰して観ることで、真矢クロのACT 4の空間を駆け巡る凄まじいカメラ移動の迫力がより伝わってきました。これはロロロの誇りのレヴューにも同じことが言えて、真矢と華恋が戦うところをグルグルカメラが移動しながら撮影するシーンがありますが、あそこの迫力がすごかったです。

かれひかのレヴューあたりはもうどこの劇場で見てももれなく音圧に殴られて号泣することができますが、毎回印象的なシーンは、華恋が今まで見えていなかった観客の目線や照明の熱さに気づき、自分が舞台の怖さを知らずにここまで来てしまったことを自覚するシーンです。

華恋が「見られてる…?」と感じるように、我々観客も「えっ俺ら今見られてね…???!?」って感じる臨場感。あそこは、安全圏から高みの見物をしていたつもりがいきなりスクリーンから腕が伸びてきて作品の中の舞台装置として引きずり込まれるかのような感覚になれるので大好きで、併せて他の観客の姿をチラ見するのが好きなんですが、海老名でも“見られている”大勢の観客たちの姿を一瞥することができて最高でした。

映像に関しては、設備が古いだけに気になります。スクリーンにもやがかかったような汚れがあるように感じられて、あと気のせいかも知れないんですが映像が暗く感じます。あの湾曲スクリーンは好み次第だと思いますが、個人的にはロロロの最後の「続劇」の画面で左端に表示されている線路のモチーフが思いっきり歪んでいてはみ出てたのが気になりました。正直、映像のキレイさでいえばチネチッタのRGBレーザー上映やグランドシネマサンシャインのBESTIAなどのほうが圧倒的に良いと思います。

しかしあの大きな空間で大きなスクリーンを観るというのはすごくいい体験です。画面のもやも、列が後退したことで前回ほどは気になりませんでした。

総合的にどこの劇場が一番好きだったかとかは今度別のブログ記事を書こうと思いますが、今日の海老名で音響や映像に関して思ったことはこれぐらいです。

おわりに

海老名の音響は座席の位置といつ行ったか(チューニングが週によって異なることがあるらしい。あと観客の人数によっても多分全然変わってくる気がする)によってかなり変わるという印象を受けましたので、そこを気にしてみてほしいですが、とにかく是非体験してみてください。迫力重視ならP, O, N列など前方、バランス重視ならL~E列など後方をとってみると良いと思います。

さて、やはりロロロ→劇スと連続で見ることで気づくこともありましたし、何よりもロロロを劇場で見れたことが感無量です。再生産シーンや約束タワーブリッジの再生産などを劇場で観れた感激で泣きました。

そしてなによりも一体感のあるオタクたちの中でハシゴできたことが最高に良かったと思っています。ニコニコ超会議コミケみたいな一体感がありました。

流石にハシゴはクソ疲れました。しかも寝不足で行ってしまったので正直体調面で準備不足でした。今もクソ眠い中深夜までこれを書いているので誤字りまくってるかもしれませんがごめんなさい。

さて今回の記事はここらへんにしたいと思います。またなにか書くと思います。

頼む…一度は海老名でスタァライトを浴びてくれ…!!

*1:大雑把に説明するとスタァライトのファンのこと