桃月書房

しょうもないことを書きます

iPad Pro + Smart Keyboard Folio を大学で春学期の間使ってみた【ガジェットレビュー】

11インチ iPad Pro 第1世代(2018) Wi-Fi+Cellular 256GB スペースグレイ 認定整備品と新品の Apple Pencil 第2世代を買ったのが今年の春のこと。目的はiPadで授業のノートを取ることで、数週間はAmazonで見つけた3,000円ぐらいのカバー(これはこれで気に入っていた)をつけて使っていましたが、その後どうしてもキーボードが欲しくなり、最終的に Smart Keyboard Folio を買いました。

今回はなぜその選択をしたのかという経緯と、実際に春学期の間大学で使ってみたレビューを書いていきます。

iPad Pro 買った

iPad + Apple Pencil で授業のノートを取る快適さは、家の無印iPadApple Pencil (第1世代)でノートをとったことがあるため知っていましたが、画面がフルラミネーションじゃなくて描画面とペン先に距離が開いてしまうことと、リフレッシュレートが低く書き心地が紙とはまだ遠いこと、内部ストレージの容量が少ないこと、Apple Pencilの充電がダルいこと、何よりも充電端子がLightningであることに不満を持っていました。そこで私がiPadに求めたい条件をいろいろ挙げたところ、

  • リフレッシュレートが120Hz (ProMotion)
  • フルラミネーションディスプレイ (Liquid Letina Display)
  • 端子がUSB-C
  • 機動力 (重量が軽い、サクサク、携帯しやすい!)

のようになりました。そこでApple認定整備済製品のページをいろいろ見ていたら、上記の条件を満たすものとして11インチ iPad Pro 2018が安く売っていました。iPad Proはその後カメラのレンズを増やしたりM1チップを搭載してみたりと後継モデルが出ていますが、2018年モデルでも十分すぎるほどパワフルなのでコスパ最高!ということでこれにしました。なおWWDC22でiPadOS 16ではM1チップ搭載モデルにしか提供されない新機能が登場することも発表されたため、ここで初めて処理能力以上の明確なM1格差が生まれることになってしまったのですが、それはまた別の話。

使ってみると、リフレッシュレートが高くフルラミであることで非常に書き心地が良く、ストレージも物理的にも心理的にも余裕が生まれ、日々パワフルに処理できるようになりました。特にApple Pencil 第2世代が側面にくっつけて充電できるようになったことは非常に画期的で、第1世代では定期的にカブトガニまたはアダプタを噛ませてLightningでという方法で充電する必要がありましたが、第2世代は使わない時は基本常にiPadの側面にくっつける生活になったので、まずApple Pencilの充電を気にすることは無くなりました。

マグネットでくっついてるだけで失くさないの?と思われるかもしれませんが、私みたいに几帳面でない人間にとって物を紛失する最大の理由はモノの住所が徹底されていないことであり、その時によってあっちゃこっちゃにやるからどこいったかわからなくなるという部分があるので、Apple Pencil 第2世代のように定位置は常に側面ッ!!!!と確定させて使っているものは実はそんなに失くさなかったりします。あと第1世代では、手元にApple Pencilがなくても「あぁどっかにあるんだろうな」という感じでスルーしてしまうのですが、第2世代ではApple Pencilが右手の中かiPadの側面に無いということは即ち重大インシデントを意味するようになったので、仮に落としたりカバンの中でiPadから外れて底に沈んでいたりしてもまずすぐに気づくことができます。

iPad自体の筐体デザインもカッコよく、画面もキレイ、音質もキレイ、コンテンツ消費デバイスとしても非常に気に入っています。

私はiPadに何を求めるのか

しばらくして「やっぱキーボード欲しいなぁ」となってからいろいろと迷う中で、意識したのはこの「私はiPadに何を求めるのか」でした。

iPad Proの純正キーボードには Magic KeyboardSmart Keyboard Folio がありますが、特徴は以下の通りです。

Magic Keyboard

Smart Keyboard Folio

そこで先述の「私はiPadに何を求めるのか」をリストアップすることにしました。iPadを生活の中でどういうデバイスだと位置づけているのか、ということであり、ここを見誤ると間違った買い物をしてしまいます。その結果、私がiPadに求めるものは「機動力」であるとの結論に達しました。

Windowsラップトップは別で持っているので、iPadがPCになってくれる必要は別にない。iPadはそもそもタブレットなので、タッチ操作が基本であり、「タブレットにキーボードがついた」程度でいい。ポインティングデバイスが必要になったら小型のマウスを使えばいい。そして何よりも、Magic KeyboardはApple Pencilとの相性が最悪という理由がありました。Smart Keyboard FolioはカバーをつけたままiPadの裏側に折りたたんで机の上にフラットにiPadを置いて手書きをするモードにすることができますが、Magic Keyboardは裏側に折りたためないので、手書きがしたい場合全体を取り外さないといけません。これはiPadを使う最大の理由が手書きをすることである私にとっては致命的でした。

iPadは、全てのいいとこどりをしたデバイス

最近のiPadはPCっぽくもなるしでっかいスマホとしてコンテンツ視聴にも適していて、全てのデバイスのいいとこ取りをしていますが、逆に言うと全てにおいて中途半端であるという見方もできます。では中途半端なのになぜiPadに利点があるのかというと、それは機動力があるからです。PCと違って重量が大きくない、サクサク動く、コンパクトでフットプリントが小さい、PCと違ってシャットダウンしないので一瞬でやりたい作業をはじめられる。

このようなことを考えたとき、Magic KeyboardはiPadの機動力を殺すデバイスだと考えました。別にMagic Keyboardが悪いわけではないのですが、私のユースケースを考えた場合、あんま意味無いなと考えたということです。

Smart Keyboard Folioはいいぞ

Smart Keyboard Folioは、まさにタブレットに簡易キーボードがくっついてる、ぐらいの感覚で使えます。完全に外付けの小型キーボードを買うことも考えたのですが、やはり手軽さや機動力を考えると常にくっついていることに意味があると思ったのです。要するに私のようにズボラな人間は常に一緒に持ち運んでいないとApple Pencil第1世代のように「あれ、どこにいったんだ」となり全てが面倒臭くなってしまうので、いつでもどこでもハードウェアキーボードが使いたくなったらすぐ使える、という状況を維持することが大事だと考えました。

実際これはかなり快適です。授業で手書きでノートを取った後、授業の最後にデジタルでレスポンスシートを提出させる授業だと、すぐに裏返してあったキーボード部をもってきてPCっぽいモードに切り替えて、QWERTYキーボードで文章入力ができます。これだけのためにPCや外付けキーボードを出すのはダルいし、スマホiPadのソフトウェアキーボードで打つのも非常にダルいです。

要するにiPad + Smart Keyboard Folioとは「簡易 QWERTY マシン」であり、ちょっとした用事でインスタントにキーボード入力がしたい、という需要にピッタリなのです。

一時期日記を書いていた*1ときは、毎晩PCを取り出すのは面倒なので、iPadをサッと取り出して書きましたし、大学にいるときにPCを出すほどではないほんのちょっとした小課題を片付けたいときも、ちゃちゃっとiPadで書いて提出できたので、非常に快適でした。Smart Keyboard FolioiPadを簡易PC、インスタントQWERTY入力マシンにレベルアップさせることができつつ、タブレットとしてのアイデンティティやポジショニングも維持することができるちょうどいいアクセサリだと感じました。

さいごに

ちゃんと先に構成を定めずに見切り発車で書き始め脊髄で文章を書いていたので非常にまとまりのない記事となりましたが、iPad快適です、という話です。

iPadは使っていると、第3のOSだな、と感じることがあります。第3という数字に特に意味はなくて*2、第3のビールとかになぞらえて言いたいだけなのですが、要するに…PCのOSにはWindowsmacOSがありますが、Appleはそれらとは異なるアプローチで、新たな体験のコンピュータを作ろうとしているな、という印象を最近のiPadから受けるなぁ、ということです。その点で、iPad + Smart Keyboard Folio + Apple Pencilは、alt-Surface*3のような存在だなと感じます。両者ともタブレット型のコンピュータであり、タッチ操作ができ、ハードウェアキーボードによるタイピング入力と、ペンによる書き込みをサポートしていますが、タブレットの側からアプローチしているのがiPad、PCの側から解決しようとしているのがSurfaceです(なんかこの表現、どっかの誰かが言っていた気がします)。どちらの方が合っているかはその人次第ですが、少なくともiPadの体験はとても良いです。

最後に強めの思想を吐いて終わろうと思います。大学生よ!!イキリMacはもう古い!!です。

以前から大学生がMacを使うことに対する私の意見はMacの長所と短所を正しく把握しており、かつWindowsを使わないことによって生じうる不都合を全て自力でカバーできるリテラシーがあるなら、Macは素晴らしいコンピュータである。しかしただ“カッコいいから”という理由でMacを買おうとしているアホがいたなら、悪いことは言わないからやめておけ」です。社会人の私用PCなら全くもってどうでもいいのですが、少なくとも学生が学業で使うコンピュータに対しては私は上記のような思想を持っています。

…そして、こうも思っています。イキりたいならiPadだ!と。

もちろん予算の問題があるので暴論もいいところなのですが、正直イキりたいだけでMacを買うのは“わかってないな”と感じざるを得ません。Macを使っても得られるものは特にありませんが、iPadを使うことで得られるものは、紙からの解放、スマートな学習、QOLの向上です。PCをMacにするぐらいなら、安めのWindowsラップトップを買って、さらにiPad + Apple Pencilを買った方が、イマドキなカッコいい大学生になれます。

そもそも授業中にただ授業の資料が見たいだけなのにデカいPCを机の上に広げるのは大げさすぎちゃうんですよね…。資料を見るにはiPadぐらいがちょうど必要十分のサイズであり、コンパクトでスマートです。紙に印刷なんかしてこなくても、PDFで配布された講義資料をiPadに取り込んでデジタルで書き込めばいいですし、デカいPCを持ち運ぶよりスマートです。

驚くべきは、大学内でiPadを持ち運んでる人の女性率の高さです。もちろん私の大学の私のキャンパスに観察対象が偏った話ではあるのですが、なんかこう私のような陰キャガジェットオタクではなくて、スタイリッシュでオシャレな雰囲気の、最先端を行く女性の学生ほどiPadを活用したスマートなキャンパスライフを送っているというのが非常に驚きでした。(ちなみにMacBookを持ち歩いている人は、僅差で男性の方が多い気がします。別に特に意味はありません。)

何が言いたいのかというと、スタイリッシュぶりたい、オシャレぶりたいなら、Macを選ぶのはセンスがない!という話です。イキリティ高いガジェットは、イマドキはパソコンなんかではなくiPad!私はそう思っています。

…一応言っておきますが、製品の特性をちゃんと理解してMaciPadを使ってる人のことは微塵もdisる気はありません。私がバカにしているのは、なんもわかってないクセにカッコいいからというだけでMacを買う人のことです。というか前提として、イキりたいからガジェットを買うという行為そのものがまずダサいということは言うまでもありませんが…(ここで私に特大ブーメランが刺さる)。ガジェットにイキリティを求めるな、求めるにしてもセンスが無い。Macではイキれない。そう思っています。やだなこれ炎上しないかな…

これは本当に過激思想なのでマジで真に受けないでください。本当に真に受けないでくださいね!!!!!!

冗談はこのくらいにして、こんな感じで私の雑なガジェットレビューを終わります。ではまた。

*1:なお三日坊主で終わった模様

*2:第3という数字に深い意味は無いので、WindowsmacOSの他にLinuxもあるだろ!というような指摘はしないでください。言いましたからね!

*3:厳密には、プラス Surface ペン